父親が他界してから、もう早いもので6年が経った。
その背中はあまりに大きくて、ずっと乗り越えられないと勝手に思い込んでいた。

 

だから自分で自分の限界を作り、そこからはみ出ないように、触れないように生きてきた。

 

親父は、俺が苦労しないようにと、高い学費を払ってくれたお陰でいい学校に入れて、いい会社に入れるようにとずっと頑張ってくれた。

そしてそれなりの大学に行って、大手と言われる企業に就職して、周りが満足してくれるような、そんな人生を歩んできた。

 

そうすればこの先「ずっと安心」だと信じていたから。

 

 

でも、心の中では「何か違う」とずっと感じていた。

 

 

会社に馴染めるように、ずっと無理して、自分を押し殺しながら生きてきた。
本来の自分ではなく、周りが求める自分像をずっと演じていた。

 

自分なりには一生懸命がんばったつもりだった。でも、会社に馴染めない。好きになれない。

 

それは自分の努力が足りないから。
自分の根性がないから。

 

そう自分にずっと言い聞かせた。

 

親父が他界した後は尚更、親父が入れてくれた会社を辞めるなんて許されないと、強く自分に言い聞かせた。

 

それは親父の顔に泥を塗ることだと。
そんなことは決して許されないと。

 

 

でも身体は正直だった。

 

無理し続けた結果、身体が悲鳴をあげた。普通の生活が送れなくなるほどまでに悪化した。

 

 

当時まだ24歳。
この先の人生でやりたいことはたくさんあるのに、何ひとつやっていなかった。

 

 

その時にやっと気付いた。

 

こんな人生を望んでいたんじゃないって。

 

周りの目を気にして、周りを安心させるために、満足させるために生きてきたんじゃないって。

 

 

いい大学に入って、いい会社に入って、安定を手に入れたところで、自分が本当に望んでいたものは手に入らない。

 

どんなすごい肩書きがあろうと、
どんなすごい会社に勤めていようと、
どんなにお金があったとしても、

 

「本当の自分」を隠しながら、ごまかしながら生きて、行き着くところは何なんだろうか?

 

周りの目を気にしながら生きた人生の、その先にあるものって何なんだろうか?

 

 

自分の大好きなこと。
情熱を捧げられること。
ワクワクすること。

これができないんじゃ、僕らが生まれてきた意味がないと思うんだ。

 

 

自分にとって「成功」って何?
本当に望んでいる人生って、どんな人生?
その本当に望んでいることが、この先できるって保証はどこにある?

 

やるなら「今」しかない。

 

できなくなってから後悔しても遅いんだ。

 

 

親父はこの生き方に納得してないかもしれない。

 

でもこの前書いてあった本に、こんなことが書いてあった。

 

「親切」とは、親を切ること。

 

親の価値観からちゃんと一線を引く。切るところは切る。それで初めて、その人の、本当の人生が始まる。

一方で「切」には「寄り添う」という意味もあって、寄り添いながらも、一線を引くところは引く。

 

だからちゃんと自分の人生のため、そして親のために、ちゃんと「親切」をしなさいと。

 

この世に、完璧な人間なんて存在しない。

 

だからこそ、親から引き継ぐものは引き継ぎ、切るところは切る。そしてより良いものを創り上げていく。

 

それこそが、僕らに与えられた使命だと、僕はそう信じている。

 

自分の心の声に従って、自分が信じる道を歩んで行こう。

富松卓哉 | Takuya Tomimatsu


ニュージーランド写真家

【Small is Beautiful 〜小さく美しく生きる〜】をライフテーマとし、必要以上のモノを持たない暮らし、そして”好き”を軸に生きるライフスタイルを追求し続ける写真家。

ニュージーランドで学んだ『Small is Beautiful』という生き方を日本に届け、少しでもポジティブな未来へ繋げることを目標に、写真展や講演会・執筆活動などを行っている。2016年からは日本全国でニュージーランド写真展を開催。現在まで16カ所で開催し、1000名以上を動員する。

現在も毎年2~3ヶ月間をニュージーランドで過ごし、ガイドブックやフォトエッセイの出版に向けて、各地を訪れ、撮影や取材を行っている。また『ニュージーランド・リトリートツアー』をプロデュースするなど、”好き”を軸に活動の幅を広げている。

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