少し前の話になるが、先月(2017年7月)に開催されたニュージーランドフェア@羽田空港で、ニュージーランドの先住民族「Maori(マオリ)」と触れ合う機会があった。

彼らのパフォーマンスは圧巻で、イベント期間で最高の盛り上がりを見せていた。マオリ族のことを知らないという人でも、”Haka(ハカ)”を見たことがある人は多いのではないだろうか?

“Haka”とは、オールブラックス(ラグビー ニュージーランド代表の愛称)が試合前に行う儀式で、対戦相手に対し敬意を表する意が込められている。

 

そんなマオリ族が最も大切にしているある「価値観」について、少し書いていきたい。

 

ニュージーランドに西洋人が貨幣制度を持ち込む以前、先住民族・マオリの間で流通していたのは、お金ではなく、ある「価値観」だったという。

それは“Mana(マナ)”と呼ばれる価値観で、善い行いをし、人から感謝されるとManaが増えるというもの。

マオリ族によると、人は最大級のManaを持って、この世に生まれるとされる。そして、生きている間にさまざまな不徳や罪を犯し、次第にマナを失ってゆくが、一方で「善い行いをする」ことや「人に感謝される」ことで、”Mana”を取り戻すことができるという。

 

つまり、Manaを得るためには「与えられる人」でなければならない。

 

彼らは生きる上でその価値観を最も大切にし、それは「お金」を稼ぐよりも「マナ」を高めることの方を大切に暮らしていたとのこと。

 

これはお気に入りのマオリ柄のアクセサリー。彼らの教えを忘れないために、常に身に着けている。

 

僕らはお金で定義されている「経済至上主義」という社会システムの下に生まれてきた。

時に人はお金を得るために、自分が決して誇れない行動を選択してきた。その行動によって、他でもない自分自身の価値を下げたりもしてきた。

 

今の地球上にはモノや情報が溢れているにも関わらず、資源やお金を奪い合い、地位や名声、財、富を得ることを優先している。それら自体に大きな価値はないことが誰もがわかっているにも関わらず、多くの人が方向性を見失っている。

 

マナを日本語にすると「徳」や「品格」に近いと思うんだけど、

お金よりも【徳や品格】を大切にする価値観。
目に見えるものよりも【目に見えないもの】を大切にする価値観。

 

もしニュージーランドを訪れた際は、マオリ族の歴史や文化、価値観に触れて欲しい。

なぜなら、これからの時代を生きていく上で、持続可能な社会を創る上で、最も大切にしなければならない価値観こそが、マオリ族「Mana」の思想にあると僕は思っているからだ。

富松卓哉 | Takuya Tomimatsu


ニュージーランド写真家

【Small is Beautiful 〜小さく美しく生きる〜】をライフテーマとし、必要以上のモノを持たない暮らし、そして”好き”を軸に生きるライフスタイルを追求し続ける写真家。

ニュージーランドで学んだ『Small is Beautiful』という生き方を日本に届け、少しでもポジティブな未来へ繋げることを目標に、写真展や講演会・執筆活動などを行っている。

現在も毎年2~3ヶ月間をニュージーランドで過ごし、ガイドブックやフォトエッセイの出版に向けて、各地を訪れ、撮影や取材を行っている。また地元のオーガニックフードやメディテーション、パワースポットとの触れ合いなど、人間本来が持つ健全なバランスを取り戻すためのプログラム『Retreat in New Zealand』をプロデュースするなど活動の幅を広げている。

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