テアラロア再開まで ついに2ヶ月半となりました。準備期間がもう2ヶ月半しかないという焦りもあるけれど、同時にテアラロア踏破のために、自分が考えられる範囲でできることはこの1年間すべてやってきたという自負もある。

2022年を「人生で最も努力する1年にする」と自分自身と約束し、今年に限っては仕事も、テアラロアに向けてのトレーニングも、人生で一番努力を積み重ねてきたと思う。その中で今感じていることは、タイトルにある通り、人生で「楽」することを辞めたら、ずっと人生が「楽しく」なったということ。

「楽な方を選びたい」というのは人間の性だけど、過去を振り返ってみると、人生が最も充実していた時期は決して「楽」をしていた時ではなくて、夢や目標に向かって努力を積み重ねていたとき。ぼく自身で言えば、写真展を日本全国で開催したときやガイドブックを出版したとき、そしてテアラロア挑戦をしている、まさに「今」。

「今の人生に特に大きな不満はないけれど、どこか心が満たされない」

今日はそんな人に向けて、ぼく自身が「楽」することを手放した結果、なぜ人生が楽しくなったのか。人生に充足感を感じられるようになったかを書いてみました。ぜひ最後までご覧ください。

「楽」と「楽しい」は似ているようで、対極にある言葉

ぼくは周りからは「ストイック」とか「努力家」と言ってもらえることが多いんだけど、本当は正反対でとっても怠け者。もし本当にそうだったら今も会社員として毎日 満員電車に乗って、朝から晩まで働いていると思う。

ぼく自身は、自分の「嫌いなこと」「納得いかないこと」「理不尽なこと」「興味ないこと」には1mmたりとも努力ができない体質で、会社員を辞めたのも満員電車が死ぬほど嫌いで、毎日朝から晩まで会社に拘束されるのが死ぬほど嫌だったから。働く日も休みの日も自分で決められない、自分以外のものに人生をコントロールされる人生が、心の底から嫌だったから。

会社員を辞めて、フリーランスとなってからは誰からも口出しされることがほとんどなくなった。そして会社を辞めてからはできる限り「楽」な方を選ぶようにしていたんだけど、でも「楽」だと思う方を選んでいくと、逆に面倒なことがどんどん増えていって、「楽」な人生からはほど遠くなっていった。でもそれ以上に虚しかったのは、「楽」ばかりを選択したその人生の先には、「楽しい」とも「幸せ」とも無縁な人生となってしまったこと。

「楽な方を選びたい」というのは人間の性だし、それ自体は決して悪いことではないと思う。人間関係も、仕事も、面倒なことや苦しいことからは逃げた方が楽だし、そういった人生を選ぶのも全然ありだと思う。でも「楽」を選んだの先には「楽しさ」もなければ「喜び」も「幸せ」もなくて、残ったのは空虚感だけだった。

ちなみにぼくが「楽」することを手放す転機となったのは、テアラロアの中断だった。

この挑戦にあたって僕は当時の仕事をすべて手放し、家も携帯も解約してニュージーランドへと出発。しかしスタートして2ヶ月足らずで、新型コロナウィルスの影響によりニュージーランドはロックダウン。日本へと緊急帰国することになった。

そんな何もない状況の中で、仕事を選んでいる暇も余裕もなくなって、本来であればやりたくない仕事もたくさんやった。「楽」なことを手放さざるを得ない状況になってしまったわけだけど、テアラロアはたくさんの人の応援やサポートがあって実現できた一大プロジェクト。簡単に諦めるわけにはいかなかった。

そんな状況の中、ぼくはテアラロア再開に向けて、自分ができることはすべてやろうと決めた。周りがやりたがらないような面倒な仕事も可能な限り引き受けるようにしたし、取引先との挨拶や報告なども細かいことも大切にするようにした。隙間時間も活用して、1日最大で4件の仕事を掛け持ちすることもあった。そしてどんなに忙しくても、体調管理のために毎日自炊をしながら、必ず1日1時間はトレーニングに充てることを、2022年に入ってからずっと続けてきた。

テアラロアのトレーニングとして訪れた富士山

正直に言えば、最初は「下心」から始めたことだった。テアラロア再開に向けてそれなりの資金が必要だったし、仕事をたくさんもらうために始めたことだった。でも小さいことや面倒(だと思っていた)ことを1つ1つ丁寧にするようにして3ヶ月くらい経った頃から確実に周りから見る目が変わってきた。

取引先の人ともいい関係を築くことができて、仕事もたくさんもらえるようになってきた。お客さんからも嬉しい言葉をもらえるようになってきて、仕事自体もどんどん楽しくなっていった。

今まで「楽」をしたくて、人と関わることを避けようとしていたり、小さいことや細かいことをおざなりにしていたわけだけど、その結果 すれ違いやトラブルを自ら引き起こしてしまっていたことを今更ながら痛感した(本来はもっと早く気付かないといけないことだったのに、どこまでもアホなんだな俺は。)

「楽」と「楽しい」は全く対極にあるものだということを、ぼくは今更ながら知ることができた。

僕は今、自分のすべての時間をテアラロアにかけているわけだけど、かつてないほど毎日が充実していて、仕事もトレーニングも心から楽しんでいる。なぜなら自分自身が成長していることを毎日実感できているから。ぼくは次の11月で36歳を迎えるわけだけど、まだまだ精神的にも、肉体的にも進化できると確信している。

本当の「楽しさ」を味わった今、「楽」することは諦めることにした

2年半前に『テアラロア』という目標を失ったときは本当にキツかった。かつてないほど、ぐちゃぐちゃな感情を味わったし、自暴自棄にもなった。でも今はこの2年半があって心からあって良かったと思う。この “空白の2年半” が、精神的にも肉体的にも 僕をずっと強くしてくれたし、『テアラロア』をより特別なものにしてくれた。

僕は今、幸せだ。僕には人生をかけて挑戦したいことがあって、テアラロアにすべてをかけて1日1日を、一瞬一瞬を大切に生きている。もちろんテアラロアを終えた後は、余暇や仲間との時間ももう少し楽しもうと思うけど、この「楽しさ」を味わってしまった今、この先も「楽」をしようとは思わない。

この先も自分のやりたいことや情熱と真剣に向き合って、人生を謳歌していこうと思う。

テアラロア出発まで残り2ヶ月半。そしてクラウドファンディング終了まで残り19日となりました。現時点で目標額の30% というところで、まだまだ目標額までは遠い道のり。残された時間はあまり多くないけど、とことんこの挑戦とも向き合って、とことん苦しんで、できることはすべてやろうと思う。

そして必ず達成してみせる。

まだまだできることはある。その可能性を信じて、まだまだ頑張ります。そしてもし、この思いに共感してくれた方はぜひご支援をよろしくお願い致します。引き続き応援よろしくお願い致します。

2022.08.12. トミマツタクヤ

 
2022年11月よりニュージーランド3,000km縦断『テ・アラロア』に挑戦&ドキュメンタリー制作に向けて、クラウドファンディングに挑戦中!


●目標金額:150万円(目標支援者数:300名)
●現在 ¥446,000(支援者数38名)

 

ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます。目標を達成できるよう最後まで頑張りますので、引き続き応援よろしくお願い致します。

 

▶︎ プロジェクト詳細・ご支援はこちらから。

トミマツ タクヤ

ニュージーランド写真家

大学卒業後、大手企業に就職するも会社員生活に馴染めず転職を繰り返す。度重なる体調不良をきっかけに会社員生活に終止符を打ち、2013年 世界一周を夢見てニュージーランドへ初渡航。数ヶ月の滞在予定がニュージーランドのライフスタイルやウェルビーイング(心の豊かさ)に衝撃を受けて、1年4ヶ月もの歳月を過ごす。

帰国後は人生観を大きく変えてくれたニュージーランドの魅力を届けるべく、ニュージーランド写真家として活動を開始。『Small is Beautiful -より小さく より美しく-』をテーマに撮影・表現活動を行う。2015年から過去50回に渡り「写真×音楽×ストーリー」を組み合わせた上映会スタイルの写真展『Small is Beautiful』を日本全国で開催。”写真展示のない写真展” として話題を呼び、延べ5000名以上を動員。自身の人生をも変えたそのメッセージと世界観は多くの人の感動を呼ぶ。

2018年9月にはガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』を四角大輔氏らと共に出版。2020年1月にはニュージーランドの最長ロングトレイルコース『テ・アラロア』3,000km縦断に挑戦するも、ロックダウンにより1,100km時点で中断(2022年11月より再開予定)。

2020年5月には幸福先進国ニュージーランドに学ぶ「心豊かな生き方=Small is Beautiful」について学び、実践するための オンラインコミュニティ『iti(イティ)』をスタート。日本にいながらもニュージーランドを感じられるような場を作るべく『iti village project』を起ち上げるなど、“Small is Beautiful” の世界観の追求を続けている。

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▶︎ 撮影用HP:TAKUYA LeNZ Photography

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