ガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』取材、ニュージーランド最長3,000kmロングトレイル『テアラロア』縦断など、過去10年以上に渡ってニュージーランドを旅し続けてきた経験を基に作成した、ニュージーランド写真家トミマツタクヤ独断と偏見によるニュージーランドのお勧めスポットランキング。実際に足を運び、心からお勧めできるスポットのみをご紹介

「地球の箱庭」と言われるほど、豊かな自然環境が凝縮されているトレッキング大国ニュージーランド。ニュージーランドには数々の美しい大自然が残っており、「世界一美しい散歩道」と称される Milford Track を含む Great Walks など世界中のハイカーたちを魅了し続けている。日本にいた頃はさほど登山やロングトレイルには興味のなかったぼくも、ニュージーランドを訪れたことをキッカケに、その世界にがっつり魅了されてしまった1人だ。

2013年に初めて訪れてから現在に至るまで、テアラロア3,000kmの挑戦を含めて数え切れないほどのトレイルを歩いてきた。ただこれほど多くのトレイルを歩き続けても、ニュージーランドの神秘的な大自然と触れ合えば触れ合うほど、その魅力に取り憑かれ、それは10年経っても変わらない。ヘビや熊など危害を加える動物がいないため安心してトレッキングができるのものこの国の魅力の1つで、一生遊び尽くすことができないほどの豊かな自然が残されている。

今回は独断と偏見で、誰でも気軽に登ることのできるような初心者向け、かつ日帰りでアクセスできる10のトレッキングコースを選んでみた。それでは、お勧めディウォーク10選【初心者向け】を10位から順に発表していこう。

ニュージーランドお勧めディウォーク10選

10位 Mercer Bay Loop Walk

オークランド西側にある人気のサーフタウン Pihaエリアにある絶景ハイキングコース。断崖絶壁から見る海原は迫力満点で、スタート地点から奥へと進んでいくと、僕個人のニュージーランドNo.1ビーチである Karekare Beach の雄大な景色を拝むことができる。コースも整備されているため初心者でも気軽に歩くができる(距離は2.2km・約1時間)コース。ここへ来るには車が必要になるが、オークランドに寄る際はぜひPihaエリアまで足を伸ばして見て欲しい。

9位 Escarpment Track

NZの首都 Wellingtonから日帰りでアクセスできる絶景ハイキングコース。最初はかなりの急登が続くため体力がない人には厳しいかもしれないが、コースはしっかりと整備されており難易度は決して高くはない。一度上まで登ってしまえば、その後は絶景の嵐。Wellington周辺でのハイキングコースとしてはここが一番お勧めだ。

8位 Mt.Maunganui Summit

ニュージーランドの最大の魅力は人と自然との距離の近さ。それを象徴するハイキングコースの1つがここ「Mt. Maunganui Summit Walk」。町の麓から頂上までわずか30〜45分でアクセスできる距離ながら、これほどまでに美しい景色を見渡せるところはなかなか見当たらない。地元の人も「ハイキング」というよりも「散歩」に近い感覚で登れる山で、日の出のタイミングに合わせて登る地元の人も多い。道も綺麗に整備されておりスニーカーでも問題なく登ることができるため、かしこまることなくニュージーランドの大自然と絶景を ぜひ “気軽” に体験してみて欲しい。

頂上からはTaurangaとMt .Maunganuino街並みを一望できる。内海と外海に囲まれている独特の地形だ。

7位 Mangawhai Cliffs Walk

”Cliff” とは「絶壁」や「断崖」を意味するように、マンガファイ地方の断崖からノースランドの美しい海原を見渡しながら散策できるハイキングコース。ビーチから丘の上に登る1か所のみ勾配が厳しいところがあるものの、コースは整備されているため初心者でも十分に歩くことができる。こちらもニュージーランド最長3,000kmロングトレイル『テアラロア』の一部に組み込まれており、ノースランド地方において3本の指に入るハイキングコース。Te Paki Coastal Track、Te Whara Track とここの3つがノースランドのハイキングコースでは特に景観が素晴らしかった。

6位 Te Paki Coastal Track

ニュージーランドの最北端の地 ケープレインガ(Cape Reinga)からスタートする絶景ハイキングコース。テアラロア3,000kmの初日でありながら、北島ではNo.1の景観。まるで “地球の鼓動” を感じられるような圧倒的なパワーに魂は震えっぱなしで、あまりに感動的な1日だった。ここを訪れる人のほとんどがツアー参加者のため、ケープレインガの灯台を見て終わってしまうが、ぜひ片道10分だでいいので『Te Paki Coastal Track』にも足を伸ばしてみて欲しい(その場合はレンタカー、もしくはマイカーが必須)。その圧巻の景色とパワーにに誰もが圧倒されるはずだ。

5位 Diamond Lake

ワナカ周辺には数多くの絶景ハイキングコースがあるが、気軽ながら360°素晴らしいパノラマを見ることのできるコースがここ。一部急登があるものの、そこを越えて稜線まで出てしまえばあとは絶景のオンパレード。特にRocky Mountainの頂上からはワナカ湖全体、そして世界遺産Mt. Aspiring National Parkまで見渡せる超絶景ポイント。楽なコースではないものの、初心者でも十分に登れる絶景ハイキングコースだ。

4位 Sealy Tarns Track

マウントクック国立公園で僕が最もお勧めしたいハイキングコースがこの Sealy Tarns Track。ほとんどのガイドブックでは Hooker Valley Trackを推すが、僕のお勧めは断然こっち。難点としてはひたすら階段を登る必要があるが、ゴール地点からの眺めははるかにこちらの方が美しい。体力的には少し厳しいかもしれないが、コース自体は全然難しくないため時間をゆっくりかけて登ればゴールまで辿り着けるはず。またさらにすごい景色を見たい人はこの上に続くMueller Hutまで足を伸ばしてみよう。さらにぶっ飛んだ景色を拝むことができる。

永遠と続く階段。体力的には厳しいが難易度は全然高くない。

3位 Oparara Basin

Opara Basinはニュージーランドで最高峰のハイキングコースながら最も知名度が低いコースとも言えるだろう。そこは「ロストワールド」と呼ばれるなど、ニュージーランド最古の5億年前の地層が今なお残っていると言われ、そこに一歩足を踏み入れれば、まるでジュラシックパークやアバターの世界に入り込んでしまったかのような感覚に陥ってしまう。アクセスは非常に悪いものの、ぜひ一度その神秘的な空気感と地球の奇跡を体感して欲しい。この空気に触れたとき、誰もが言葉を失ってしまうはずだ。

5億年の地層が眠る南半球最大の洞窟。アクセスは悪いがこの奇跡を体験する価値は十分にある

2位 Rob Roy Track

僕が最も好きな国立公園の1つ、Mt.Aspring National Parkで最も人気の高いコースがここ。わずか1.5時間ほどで目の前に大迫力の氷河を見ることができる。極端のことを言えば、Rob Roy Trackを歩かなくとも、Mt.Aspring National Parkに向かう道中の景色を見るだけでも十二分に価値があると言えるほど、圧巻の絶景がみられる。

1位 Key Summit

Great Walks『Routeburn Track』の一部であるKey Summit Track。ここは駐車場から頂上まで8kmほどでアクセスできる絶景ハイキングコースで、片道30分でこれほどの絶景が見られる場所は世界でも稀なはず。特に稜線に出ると360度美しい山々に囲まれた景色は写真では決して表現できるものではなく、実際に体感してみないと決してわからない美しさと神秘さに溢れている。フィヨルドランド国立公園の真髄をこれほど楽に感じられるなら行くしかない。

ニュージーランドお勧めディウォーク10選【初心者向け】 まとめ

独断と偏見による「初心者向けニュージーランドお勧めディウォーク10選」いかがだっただろうか。今回紹介した以外にもおすすめのハイキングコースは山ほどあり、まだ僕も行ったことがないコースも数多く存在する。今後もまだまだこれからもニュージーランドを遊び尽くす予定なので、もし皆さんのお気に入りのコースがあれば、ぜひ僕にも教えて欲しい。

  1. Key Summit(Fiordland National Park)
  2. Rob Roy Track(Mt.Aspiring National Park)
  3. Oparara Basin(Kahurangi National Park)
  4. Sealy Tarns Track(Mt.Cook National Park)
  5. Diamond Lake(Wanaka)
  6. Te Paki Coastal Track(Far North)
  7. Mangawhai Cliff Walk(Northland)
  8. Mt.Maunganui Summit(Tauranga)
  9. Escarpment Track(Wellington)
  10. Mercer Bay Loop Walk(West Auckland)

またこれらのお勧めに関してはガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』でも紹介しているので、詳細を知りたい方はぜひ読んでみて欲しい。それではまた。

トミマツ タクヤ

ニュージーランド写真家

大学卒業後、大手企業に就職するも会社員生活に馴染めず転職を繰り返す。度重なる体調不良をきっかけに会社員生活に終止符を打ち、2013年 世界一周を夢見てニュージーランドへ初渡航。数ヶ月の滞在予定がニュージーランドのライフスタイルやウェルビーイング(心の豊かさ)に衝撃を受けて、1年4ヶ月もの歳月を過ごす。

帰国後は人生観を大きく変えてくれたニュージーランドの魅力を届けるべく、ニュージーランド写真家として活動を開始。『Small is Beautiful -より小さく より美しく-』をテーマに撮影・表現活動を行う。2015年から過去50回に渡り「写真×音楽×ストーリー」を組み合わせた上映会スタイルの写真展『Small is Beautiful』を日本全国で開催。”写真展示のない写真展” として話題を呼び、延べ5000名以上を動員。自身の人生をも変えたそのメッセージと世界観は多くの人の感動を呼ぶ。

2018年9月にはガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』を四角大輔氏らと共に出版。2020年1月にはニュージーランド最長ロングトレイルコース『テ・アラロア』3,000km縦断に挑戦するも、ロックダウンにより1,100km時点で中断。そして3年越しとなる2023年3月24日、ついに3,000kmを踏破。現在は「Youtube登録者1万人を達成したら テアラロアのドキュメンタリー上映会を日本全国で開催する」という新たな目標を掲げ YouTubeでの発信活動をスタート。精力的に発信を続けている。

▶︎ SNS:YouTubeInstagram
▶︎ 著書:ガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND

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